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≪「株式会社はノー」か ?保育園≫ [もの申す]

前回、認可保育所の審査基準が、パートや就職活動中の方にまで緩和される、というお話しをしました。

そうすることで、今まで審査基準に引っかかってしまっていた人が、子供を預けることが出来るようになります。

その一方で、子供を預けることが出来るようになると、その分だけの受け皿になる箱が必要になります。

その対策として、ミニ保育所や国有地・公有地や民有地の活用の動きが出ているというお話をしました

しかし、それでもまだまだ保育所の数は足りず、さらには、受け皿を増やした分だけの保育士が足りない。。という現実が待っております、というお話でした。

で、皆さんは、横浜市が待機児童ゼロになったことをご存知であるかと思います。

そのモデルを、ノウハウがない政府も参考にし、他の自治体地域にも広げようと推奨しております。

ちなみに横浜市がなぜ待機児童をゼロに出来たかをご存知ですか?

それは、民間の企業参入を歓迎し積極的に受け入れた、ということに成功事例があります。

この成功事例を、政府も推奨するようになった、というわけです。

では、このノウハウを参考に、他の自治体も動き出したのでしょうか。

日経のこちらを見てください。
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「株式会社はノー」か
自治体及び腰、整備進まず

待機児童問題は20年近くも続く懸案だ。

国が「緊急保育対策等5カ年事業」に着手したのは1995年度のこと。

その後も対策を打ち続けているが、共働き世帯の増加を背景に保育ニーズの伸びに保育園整備が追い付かない。運営主体と保育士の不足が迅速な整備を阻む一因となっている。

破綻リスク懸念

「当市は株式会社の参入を認める考えは持っておりません」。

保育大手のJPホールディングス取締役に今春メールが届いた。待機児童を抱える自治体に認可保育園(認可園)開設を打診したことへの回答だ。「交渉難航はいつものこと」と話す。


 

見学会に来た学生と園内を一緒に見て回る
(東京都府中市の西府の森保育園)



認可園をどこが開設して運営するか。

その設置主体規制が緩和されたのは2000年のこと。それまでは自治体や社会福祉法人などに限定していたが、株式会社にも門戸を開いた。

企業は資金調達力があり、経営判断も早い。そんな機動性の高さが迅速な整備に寄与すると期待されたからだ。

だが参入は進んでいない。

9割強は今も自治体か社会福祉法人による運営。
企業運営は2%に満たない。

「企業は利益優先で保育の質を下げる」「経営破綻が心配」「前例がない」などと市区町村は及び腰だ。

地域の保育ニーズに応えられているなら、まだ理解もできる。
だが実際は待機児童がいるのに参入拒否を貫くケースが少なくない。

 

JPホールディングスに“お断り”メールを送った自治体も4月時点の待機児童がここ5年、100人を超え続けている。

JP取締役は「立地予定地は待機児童が多く、近隣に競合する園もない。そんな好条件も『株式会社だから』と断られる」と説明する。

自治体や社会福祉法人と比べれば企業は経営破綻リスクがある。「突然倒産したら、保護者が困る」。懸念も理解できるが、それは工夫次第で対応も可能だ。

「昨年減益になった要因は何ですか」。

川崎市の民間活用推進委員会は、認可園の開設を希望する企業の代表を呼び、1時間にわたって面接する。

公認会計士が過去3年分の財務諸表や損益計算書などを基に経営実態を見極める。毎年複数の企業が「問題あり」と参入を断られる。

川崎市には苦い経験がある。06年に企業参入を解禁。

だが08年秋に認可園を運営していた企業が経営破綻し、即日閉鎖された。

企業参入の見直しを迫る意見もあったが、市は09年に同委員会を設置し、経営状況を厳しく確認する方策を選んだ。

「参入を拒むのはたやすい。でも企業の力も借りないと整備ははかどらない」(保育事業推進部)

 
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いかがですか?

確かに自治体の言い分もわかります。

会社は生きものなので、確かに潰れることがあります。

ただ、そもそも日本は資本主義ですから、競争があり、負ければ衰退していくのは仕方がありません。

そうやってより良いものをつくり、世界に負けない国にのし上がっきたわけです。

ですから、前例がないため慎重になるのはわかるのですが、しかし今は、そんなことを言っている余裕がない事態です。

手が足りていないわけですから、民間企業を活用するべきです。

何でもそうですが、自分一人で抱え込み、全て一人でやろうとすると限界があります。

皆で協力し、頼れるところは頼る、任せられるところは任せる、というようにやらないと回りません。

チームワーク、組織力は、日本人の得意なところではないでしょうか。

ただ、時間はかかりますが、いずれこれは、嫌でも民間に頼ることになると思います。

一方で、やはり保育士不足の問題です。

この問題を解決するための取り組みが必要です。

そのためには、保育士という職業が魅力的でなければはりません。

保育士というお仕事に魅力がないのではありません。

子供が好きで保育士になりたい!といって実際に保育士になったら、現実的には、労働力の対価が見合わないため、やってられない。。ということで辞めていってしまう。。

このことが問題です。

それは介護のお仕事もそうですよね。。

日経のこちらも見てください。
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保育士が足りない 重労働に低賃金…園新設が拍車

保育士不足に歯止めがかからない。

都市部を中心に採用難が続き、採用しても数年で辞めていく。

地域の子育て支援など保育士の役割は重くなっているが、賃金などの待遇は改善されないまま。
待機児童の急増で保育園の新設を急ぐ自治体は保育士確保に頭を悩ませる。

子育て支援を求める親たちにとっても切実な問題だ。


 

首都圏では新人保育士の獲得競争が
激しくなっている
(さいたま市の茶々すずや保育園)




親の相談相手も


「朝から電話が鳴りっぱなしです」――。名古屋市の「けやきの木保育園」。一時保育の予約日は電話が殺到する。

「保育園に入れない子が地域にあふれていると実感する」と男性保育士(32)は話す。

この保育園では週5日、園内を開放しており、地域の母親らが子どもと訪れる。子育てに悩み、居場所がない母親らの相談に応じることも。

「保育士は保育園の子だけでなく、地域の子育て支援も求められ、負担は重くなっている」(名古屋市保育企画室)

さらに保育士たちは親への対応にも追われている。

愛知県内のある保育園では子どもの様子を書く「連絡ノート」の中身が最近、変わってきたという。

仕事の悩みや夫へのグチなどをびっしり書き込む母親が目立つのだ。
「ノートが自分の気持ちを吐き出す手段になっているようだ」(女性保育士)。

子どもだけでなく、親を支えることまで期待され、現場の疲労感は募る。

延長保育や休日保育など勤務も長時間化しており、疲れ切った保育士が辞めるケースが相次ぐ。

一方、保育園も新人の採用に頭を悩ませる。

東京や神奈川などで6カ所の保育園を運営する社会福祉法人のあすみ福祉会(埼玉県入間市)は今年度、16人のうち、9人を東北地方で採用した。

常務理事は「首都圏は競争が厳しく、必要な人数が取れない」と語る。
仙台市で説明会を開き、何とか採用にこぎ着けた。

横浜市のある保育園では30校近い学校に求人を出したが応募者が集まらず、「来てくれた人を試験をせずに採用した」と園長は苦い顔をする。

自治体は待機児童対策で保育園を次々と新設しており、保育士の不足感はさらに高まると予想される。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査によると、2017年度末までに新たに必要とされる保育士の数は全国で13万1000人。

ほとんどの自治体で保育士の需要が供給を上回るが、特に都市部が深刻な状況だ。東京都は2万4000人、愛知県と埼玉県でいずれも1万1000人が新たに必要となるとみられる。

保育士が辞める理由の一つが低い賃金だ。

特に、私立保育園では経験に見合った待遇を受けることが難しい。

09年の賃金構造基本統計調査によると、保育士の平均給与額は21万7000円。全産業平均の31万8000円を下回る。

国から認可を受けた保育園は運営費のほとんどを補助金でまかなう。

運営費の約8割が人件費だ。

財政状況が厳しい多くの自治体は補助金を減らす傾向にあり、東京都内のある保育園の園長は「人件費が膨らめば赤字運営になる。経験年数が長くても給料を上げられない」と打ち明ける。


 


「家族を養えず」

「あのまま働いていたら結婚は無理だった……」。

こう話す大阪府の元保育士の男性(36)は4年前に勤めていた保育園を辞めた。

当時の収入は手取りで月16万円。年収は250万円ほどだった。

「独身ならいいが、家族を養うことを考えると、保育士を続けることはできない」。交際していた女性との結婚を考えたとき、転職を決意した。今は会社員として働いている。

群馬県の男性保育士(25)は職場で40代の先輩から給与明細をみせられ、「長く働いてもこれだけ」とショックを受けた。

額は手取りで20万円ほど。

将来に強い不安を感じたという。今も生活はぎりぎりで、「いつまで続けられるかわからない」とこぼす。

一方、恵まれているとみられる公立保育園でも職員の非正規化が急速に進んでいる。

ベネッセ次世代育成研究所が08年に実施した調査では、保育士のうちパートや契約など非正規職員が占める割合は私立保育園が4割だったのに対し、公立は5割に上った。

奈良県大和郡山市の公立保育園で保育士をしている50代女性の収入は手取りで月15万7000円。

24年間のキャリアを持つが額はさほど変わらなかった。

半年契約の臨時職員だからだ。

「高い給料と思われているが、全然違う」と苦笑する。

市は5年ほど前から非正規職員を増やし、今は約半数の保育士が非正規。
「全員を正職員にしたら運営できない」と担当者はいう。

政府は新成長戦略で保育サービスを雇用の受け皿と位置付け、16万人分の雇用創出を狙う。

ただ、保育問題に詳しい白梅学園大学の学長は「保育士不足を解消するためには、待遇改善を含めて今の保育予算ではとても足りない。財源は消費税増税も含めた議論が必要」と語る。
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どうですか?

もちろんお仕事は、皆、大変で、そんなこと言っていたら、他の職種も見合わない。。って声があると思います。

それにしても、一般的に比べてもちょっと厳しいと思いませんか?

今は下っ端で経験が浅く、このお給料でも仕方がない。でも、ここで頑張れば、3年後、5年後には、あのようになれる可能性がある、だから頑張ろう。

それが、どんなに頑張っても変わることがない。というのだとどうでしょう。

それなりに楽なお仕事ならば納得できるでしょう。

しかし、そうではないことは、これを見れば、皆さんも理解できるところではないでしょうか。

しかも需要が多く過剰に人手不足で、これからも我々の暮らしに多いに影響し、大きく関わってくるものです。

需要が供給を上回れば、商品と一緒で、多少なりとも金額が高くなるのは必然です。

それがズルイと思うならば、自分も保育士や介護士を目指せば良いわけです。

これが自然の摂理であり、時代の流れであり、経済であるわけで、資本主義なわけです。

ただ保育所が少ない、介護が不足している、と言うだけでなく、皆でその時々の日本の問題を、皆で力を合わせて解決し、乗り越えていくしかありません。


以上、宜しくお願いします。




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