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≪介護職員賃上げへ!15年度、月1万円!!≫ [ひとこと]

ようやく、国が介護職員の対策に動き出しましたね!

ハードワークな労働力に対して賃金が安く割が合わないため、介護職員が定着しない、という現状を、皆さんも聞いたことがあると思います。

このことは、かなり前から言われておりましたことですが、ここに来て、ようやく国が動き出しました。

では、具体的にどういう対策をしようと言うのでしょうか。

早速、日経のこちらを見てください。
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介護職員賃上げへ 15年度、月1万円
人手を確保 賃金以外の介護報酬を抑制


政府は2015年度から介護職員の賃金を引き上げる。介護サービス事業者が受け取る介護報酬に職員の賃金を増やす原資を加算する。月額1万円程度の増額を目指す。介護は人手不足が深刻なため、賃上げで人材の確保につなげる。賃金以外に払う介護報酬は抑え、介護を支えるための保険料や税の負担急増を避ける方向だ。


介護サービスの公定価格である介護報酬は3年に1度改定している。15年度の改定で、介護事業者が職員の給与を引き上げる原資となる「処遇改善加算」を拡充する。

介護事業者が職責に応じて昇給する賃金体系を整えた場合、加算を増額する。厚労相の諮問機関である社会保障審議会で年末までに具体案を詰める。月給22万円の職員の場合、月1万円増額すれば4%の賃上げとなる。


介護職員の賃金を上げるのは、高齢者の増加に伴い、介護の担い手不足が深刻になる懸念があるためだ。産業界の人手不足の影響もあり、介護事業者は人員確保に苦労している。7月の介護サービスの有効求人倍率は2.1倍と全産業の0.95倍の2倍以上だった。


厚労省の調査では介護職員の平均月給は23万8千円、在宅向けの訪問介護を手がけるホームヘルパーに限ると21万8千円にとどまる。産業界の平均月給32万4千円を10万円前後も下回る。


12年度の介護報酬改定で導入した処遇改善加算制度を拡充する。事業者が受け取る報酬に加算率分を上乗せする。加算率はサービスごとに異なり、現在は訪問介護事業者で4%、特別養護老人ホームで2.5%だ。ただ、事業者は加算を研修などに使ったりして、必ずしも賃上げにつながっていないとの指摘がある。


厚労省は15年度の報酬加算拡充では対象を昇進・昇給ルールを盛り込んだ賃金体系を整えた事業者に限定する。実際に事業者が加算部分を基本給に反映させたかなどを点検することも検討する。


社会福祉法人などで小規模な介護事業者では、昇給の賃金体系がないところも目立つ。収入の見通しをたてられないことが離職の一因となっている。介護職員は12年度時点で全国に約168万人いる。


産業界では今春、賃上げの動きが広がり、大企業のベースアップは平均2%超だった。介護職員の賃金も引き上げが必要との指摘は多い。


政府は09年度から介護事業者に支払う交付金制度や介護報酬を使って、介護職員の処遇改善に取り組んできた。ただ毎月の基本給は引き上げず、ボーナスや手当で対応した事業者も少なくない。

 



介護報酬 3年に1度改定


▽…介護サービスを提供する社会福祉法人や企業などの事業者が受け取る報酬で、公定価格として国が設定している。最も介護度の重い人が、特別養護老人ホームの個室を1日利用した場合は9470円だ。原則3年に1度、改定し、次の改定は2015年度となる。厚生労働省の審議会で上げ幅などを決める。

▽…介護事業者は受け取った介護報酬から運営費や必要な器具設備を賄ったうえ、職員に給与を払う。03年度、05年度、06年度はマイナス改定だったが、09年度と12年度の改定では給与を上げる狙いで、それぞれ3%、1.2%引き上げた。09年度から11年度に補正予算を使って介護職員の給与を引き上げたこともある。それでも、介護職員の給与水準は全産業平均の7割と低い。


▽…介護費用の財源は本人の負担が1割で、残りは国と地方の公費(税金)と、40歳以上の個人や企業が負担する保険料で半分ずつ賄っている。介護費用は介護保険制度が始まった2000年度の3.6兆円から14年度は10兆円に膨らんだ。さらに25年度には21兆円になる見込みだ。保険料も00年度の月2900円が14年度は月5000円弱に増えている。介護報酬を上げると保険料の上げにもつながるため、抑制が課題になっている。

 
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如何ですか?

1万円の賃金アップ。

民間企業の定期昇給とベアを合わせた賃上げ額の平均は5981円で、率にすると2.08%ですから、文中の通り1万円の賃金アップですと、倍の約4%の賃上げとなります。

これは、素晴らしい試みですよね!

そして、もう一つ。

政府は、特別養護老人ホームやデイサービスの利用料金を2015年度に下げる検討に入ったようです。


以前、特養ホームやデイサービスの多くの運営者である社会福祉法人が、利益がブラックボックスになっているということは、ここでも取り上げました。

で、このブラックボックスにメスが入り始め、極端な利益の積み増しがされているだろう内部留保を活かすために、ようやく国が踏み込む、ということのようです。

引き続き、日経のこちらです。
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特養ホームやデイサービスの利用料下げ検討 政府


政府は特別養護老人ホームやデイサービスの利用料金を2015年度に下げる検討に入った。介護サービス事業者が受け取る介護報酬の改定で、サービスの単価を引き下げる。単価が下がれば事業者の収益は減り、利用者の料金は下がる。介護の現場で深刻な人手不足の解消に向け、処遇改善への加算などを拡充する一方で、利益率の高い事業の単価を下げて歳出の効率化をめざす。

財務省の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は、15年度の介護報酬改定をめぐって議論した。


認知症など重度の要介護者を受け入れる特養ホームは国内で約50万人が利用する。事業所数は約8千あり、多くを社会福祉法人が運営する。厚生労働省による今年3月時点の経営実態調査では、利益率が8.7%に達する。毎年の黒字をため込んだ内部留保が総額2兆円あるとの試算もある。厚労、財務両省はその活用を促している。


自宅で介護を受ける人が施設に通って運動などをするデイサービスは約160万人が利用し、事業所数は約4万に上る。利益率が10.6%とこちらも高く、事業所数は10年で3倍に膨らんだ。ただ、サービスの中身が伴っていないとの指摘は多い。


労、財務両省はこれら高収益の事業の利用料を下げる必要があるとみており、来年度の介護報酬の引き下げで対応することを検討する。報酬を下げても経営に大きな影響はないとみている。これまでの改定でも利益が多い事業の報酬は下げ、利益が出ていない事業は参入を促すために報酬を基本的には上げてきた。


ただ、事業所側には報酬の引き下げで「事業撤退や経営破綻による介護不安を招きかねない」といった反論はある。仮に介護報酬の下げで利用料金が下がっても、高齢化などで介護保険料自体が上がる可能性は残る。


一方で、来年度に介護職員の賃上げにつなげる処遇改善の加算は拡充する。目下の人手不足に対処するだけでなく、25年度には今よりさらに100万人も職員が必要との推計もあり、職場環境の改善を急ぐ。来年10月に予定する10%への消費増税が決まれば、増収分の一部を財源にあてる。増税による経費の増加分も上乗せする方針だ。


税金や保険料も含めた国民負担は、介護報酬の総額の増減に左右される。財務省は8日の審議会で処遇改善加算の拡充だけでなく、採算性が低い在宅サービスへのてこ入れの必要性を表明した。だが、これら以外の報酬については少なくとも6%程度引き下げるべきだと訴えた。介護報酬の総額を1%減らせば、約1千億円分の国民負担減につながる。


介護報酬改定は年末にかけて改定率を決める作業が本格化する。財務省は歳出削減の観点から大幅な引き下げを求めるが、厚労省は介護サービスの充実のため引き下げには慎重だ。
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どうです? 本当にやっとですよね。。

サービス価格の低下は、我々利用者にとっては、非常にありがたいお話です。

今後、介護がとても重要なサービスになるからこそ、社会福祉法人のブラックボックスを開放し、大幅な利益があるのはわかっているからこそ、介護職員の賃金を上げ、特養サービスの利用料を下げさせるようにする、というのは、非常に合理的な踏み込み手段です。

と言いますか、ここでやらないと、このままです。

何も赤字の組織に言っているのではありません。

社会福祉法人も、甘い蜜であぐらをかかず、汗水流しなさい、ということです。民間と同じように、資本主義なわけですから、競争して生き残りなさい、ということです。

早かれ遅かれ、皆がお世話になるものですから、皆で良くしていきましょう。

高齢社会の先進国の手本として。



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